奈良を行く

奈良町界隈

11月12日に奈良を訪れる観光ツアーに参加しました。
ツアー名は「第59回正倉院展とフランス料理の昼食&談山神社」といいます。最近のツアー名は長いのが多いですが、これは標準的なものかもしれません。
7時30分に三田駅前を出発し、その後宝塚、川西、池田で参加者をピックアップして総勢40名で奈良へ向かったのは9時丁度位になりました。
奈良に入るとやはり観光客の車で渋滞があり、最初の目的地奈良町に到着したのは10時20分でした。これから約1時間の予定で自由散策です。Ponrx9hi_sバスを降りたすぐ近くに「元興寺」がありました。このお寺は蘇我馬子が飛鳥に建てた法興寺を平城京に移したもので、今残っているのはこの極楽坊ですが、元はこの奈良町全体がその伽藍だったと聞きました。
Q5mf6gb5_s元興寺を出てふと正面を見上げますと、大きな瓦屋根に何かが乗ってます。奈良町ではところどころでこのようなものを見かけますが、これは屋根の上から街を見下ろして、守っていただいている「鐘馗様」です。
京都にも同じような風習がある様なので問いかけると、「こちらが先」という答えでした。
K5rajhfb_s奈良町の民家の軒先には、このようなものがぶら下がっているのを良く見かけます。これは「身代わり猿(申)」といわれる、庚申信仰のお守りです。「身代わり猿(申)」は両手足を縛り腹かけをした赤い猿を軒先に下げ、入って来る災疫を家人に換わって受けてもらい、腹かけに願いを書いておけば適うとされています。

Kw6jxuwx_sその庚申信仰の中心も同じ奈良町にあります。この吉祥堂もその一つです。吉祥堂は奈良町資料館として、土・日・祭日一般公開されておりますが、月曜である今日は外部からのみの観覧となりました。庚申信仰は道教の流れをくんでおり、「身代わり猿(申)」も遥か敦煌から伝わったようです。
Tqww_nbh_s更に奈良町を下り、奈良町格子の家(月曜休館)の前を抜け次の角を右折れし又次の角を右折れして北に向かって歩き出しました。すぐに目に入ったのがこの静観荘です。静観荘は元遊郭だった建物で、木造2階建ての大きな建物の旅館です。客室は9部屋しかなく、今はご夫婦2人で経営されているようですが、素泊まり4200円ということで、外国人のバックパッカーに人気が有るそうです。大きな建物に囲まれた中庭は純日本庭園だそうで、そういう意味でも外国人に受けるのでしょうか。
H7fdnvc0_s更に道を進んでいきました、この界隈の家も格子のある家が多く見られます。そして、格子の上には節分にでも刺されたのでしょうか、ヒイラギの枝に鰯の頭が・・・。家の安泰と、家族の安全を祈念するこの地の人々の気持ちがそこかしこに見られる、古きよき風習がいまもなお残っている町をそぞろ歩きました。
M7wkgu4j_s更に歩を進めて、猿沢の池にやってきました。子供の頃から遠足で来るなど訪れたことが何回かありますが、いつ来てもその静かなたたずまいは変わらないような気がします。
Lbrecm5l_s猿沢の池から道路を隔てた高台に興福寺があります。広い境内は相変わらず多くの観光客でにぎわっていました。西国観音霊場第9番札所の「南円堂」です。
V4qweck9_s興福寺の五重塔を最後に、奈良町界隈の散策を終わり、集合場所へと急ぎました。

次はお待ちかねフランス料理です。

by o-san