夏の間子供達の歓声で賑わっていた水辺の生態園も今はヒッソリとしています。水面を覆っている『ガマ』もスッカリ枯れて、風の吹くたびに穂の成熟した種子が飛んでいるさまは寒々とした冬の景色を演出しているようです。
Img_0553
日本で見られるガマには『ガマ』『ヒメガマ』『コガマ』の3種があるようです。
いずれも夏になると花穂を出します、花穂の上部には雄花が下部には雌花が着くんですが、フランクフルトソーセージにソックリな形をしていて子供達には人気者です。
3種のうちヒメガマだけが雄花と雌花の間に花茎が見える部分があります。
Img_0554
秋になると、結実した雌花は成熟してまるで綿葛のような果実を風に乗せて飛ばし始めます。水に落ちた果実は綿葛部分がはずれ種子だけが水中に落ちてその場で新しい命が芽生えます。
この植物は日本神話にも登場します。因幡の白兎の話です。大黒様が毛をむしられたウサギにこの成熟した綿のような穂を着けるように勧めたという話しです(花粉が蒲黄という傷薬ですから、それを塗れと勧めたという説もあります)。
来年の夏には穂を観察して、何というガマか調べてみましょう。池に落ちないようにね(笑)。