2011年11月
最近よく出会う花に『ベニバナボロギク』があります。
公園では「ノボロギク」「ダンドボロギク」と本種の・・・ボロギクと称される野草を観察できます。
三種とも外来種で、その中で一番遅くやってきたのがこのベニバナボロギクで、1950年頃とされているようです。
山火事や伐採などの撹乱後によく出てくるとされていますが、公園では特にそのような兆候は無く、林縁でヒョコッと生えているのに出くわすケースが殆どで、群生することもありません。
8月頃から見かけ、11月中旬の今も時折出会います。
キク科の一年草で頭花は首をたれ、舌状花は無く筒状花のみで構成されています。先端が鮮やかな濃いオレンジ色で名前の由来となっているようです。
11月の高齢者大学は紅葉の森散策ということで有馬富士に登ることになっています。
私は、腰を痛めているので頂上登山組には入らず、お鉢巡り組に入り植物の解説をする役を仰せつかりました。
お鉢巡りの中間点は広場になっていて、毎年そこで楽しみにしているものがあります。今年も見ることが出来るのか心配になり、先日下見をしてきました。
残念ながら、既に盛りを過ぎていましたが、少しですが実を見ることが出来ました。
『ゴンズイ』の樹です。ゴンズイはミツバウツギ科の落葉小高木で5m位まで成長します。晩秋には赤い実がはじけ中から黒い実が顔を出し、茎も赤くなり緑の葉とのコントラストが綺麗で、普段は目立たない存在を大いに主張しています。
樹勢は強くなく、ここ以外に存在を知らないので来年も見られるかどうか心配ですが、受講生の皆さんにも観察をしてもらうつもりです。
林の生態園の木道を歩いていると、目の前の草にパタパタと白くはためくものが・・・。近付いてきた敵(私)から逃れようと、必至で翅を動かしている様子がよく判ります。
しかし、草の葉に絡まった肢のツメを解く力ももう残っていないようです。傷ついた翅でむなしく羽ばたきを繰り返す姿は哀れさを誘います。
もう子孫を残すことは出来たのでしょうか、全ての生物に課された世代交代の宿命を見た気がしました。
写真を持ち帰り調べたところ、「コガタツバメエダシャク」によく似ていました。
他にもよく似た蛾があり断定はできませんでした。
後翅の先端が尖っており、その両脇に斑点らしきものが見えています。開長40ミリほどの大きな蛾でした。