冬枯れの林にはさしたる観察対象も見つからないのですが、林床の落ち葉を掻き分けると草の芽が春を待っています。
その中の一つにこの『ゲンノショウコ』があります。
夏から秋にかけて白やピンクの花を咲かせてくれ、結実しても変わった形で楽しませてくれました。
多年草のフウロソウ科の植物で、一度根付くと絶つのは難しいとさえ言われている丈夫な野草です。
下痢によく効く薬草として古くから使われてきました。植物の茎や葉を使う薬草は一番精力が強い花時に収穫し乾燥してすりつぶして利用します。
公園ではちょうどそのころに下草刈りが行われ、花を楽しむ余裕もなかったのですが、この草にとってはかえって良かったのでしょうか、力強い株になっている気がします。
2011年12月
『ヒメカンアオイ』
『彼岸花』
この植わっているたくさんの草は何だかわかりますか?実は彼岸花なんですよ。
彼岸花は中国から渡ってきた数個の球根から日本に広まったとされているようです。お彼岸のころに花茎を伸ばして50センチほどになると先端の苞が割れて中から数個の花が出てきます。花は散形に広がり幅数ミリ長さ40ミリほどの赤い花弁の花を付けます。そして花が枯れた秋にはこのような葉を伸ばし始めるんです。冬の弱い太陽の光を使って光合成して養分を球根にため、子孫を増やしていくのです。そして春になると、この茂っている葉はすべて枯れてしまいます。日本にある彼岸花には種が出来ず、すべて球根で増えていくようですよ。
球根には毒があり生食はできませんが、水に長時間さらすことにより毒が抜けるため飢饉や戦の時の非常食として昔は利用されていたようです。
『アセビ』
『アカウキクサ』
水辺の生態園を歩いていますと、池の表面が写真のように赤く染まっていました。赤といっても小豆色に近い赤です。
不思議なこともあるものだと近付いてみますと、一面が水草で覆われていました。その水草の色が小豆色だったのです。
おおわれていたのは南東隅のごく一部でした。
写真を撮り持ち帰り調べてみますと、『アカウキクサ』という多年生のシダ植物で、本来は緑色ですが、紅葉して赤くなっていたようです。
近付いて観察すると、まるでヒノキの葉を拡大したように葉が重なり合っています。単体の大きさを確認していませんので詳しくは分かりませんが、もし3枚の葉が一個体だとするとかなり小さなシダになりますね。次回訪問した時は一部採って観察してみたいです。
『クヌギ』の冬芽
『ツリガネニンジン』
『オオバン』
福島大池には『オオバン』が番でおります。この冬はこの池で過ごすのでしょうか、やってきてから1ヶ月以上たっています。
オオバンはクイナ科の水鳥で日本では留鳥または漂鳥として繁殖と越冬をしています。北海道・東北地方のものは南へ移動して越冬してるようですね。
クイナは『水鶏』といわれるように、水に依存していて、潜って水草や水生生物を捕食しています。足の指には水かきはないのですが、ヒレがついていて泳ぐのはバンよりも上手です。
嘴と前額部が白く首からは上は真っ黒で胴体は黒っぽい灰色です。しかし日陰に入ると全身が黒く見えてしまいます。
水辺に上がって草を食べているときもありますが、危険を感じるとすぐ水面に戻ります。
『フキ』
『コバノミツバツツジ』の冬芽
今年も残すところあと2週間になってしまいました。三田の今シーズンの最低気温は-5.1度で、年内にこんな低い温度になったことはあまり例がないのではないでしょうか?
さて公園の話になりますが、この公園一帯は白亜紀後期の流紋岩地質になっていまして、本来的には『アカマツ・コバノミツバツツジ』の植生が見られます。しかし、今は松枯れや植栽によって、どんどん変化してきています。
『コバノミツバツツジ』の冬芽を撮ってきました。桜のころに山を彩る赤い花を咲かせてくれます。関東方面は「ミツバツツジ」が生えているそうですが、関西はコバノミツバツツジになります。ミツバツツジより葉が小さいのでしょうかね、比較したことないからわかりませんが…。